高血圧の診断に必要なことは、まず血圧を測ることです。血圧の測定は病院やクリニックを受診した際や、健診・人間ドックで測定しましょう。ご家族の中で血圧が高い人は遺伝する可能性がありますので、こまめに血圧を測定することをお勧めします。『なかなか病院にいけない、でも血圧が気になる』という方は、最近は家電量販店で性能の良い血圧測定器が比較的安価で購入できますので、ご検討下さい。
血圧は二の腕で測定するものがお勧めで、安静座位でカフを心臓の高さに保ち測定しましょう。血圧は1〜2分の間隔をおいて複数回測定し、安定した値を示した2回の平均値を血圧値とします。
では『血圧が高い』とはどういうことでしょうか? 血圧の正常値は、測定する場所で異なります。
上の血圧(収縮期血圧)が140mmHgまたは、下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以下の人、もしくは血圧を下げる薬(降圧薬といいます)を飲んでいる人は、日本人男性の47.5%、女性の43.8%で、高血圧者の総数は4,000万人とされています。 我われ日本人の血圧は、1965年をピークに徐々に低下してきています。
高血圧の治療の目的は、血圧が高いことが続くことのよる心臓と血管の障害による心血管病の発症を予防すること、すでに心血管病を発症している場合には、その進展を予防することです。
外来で『血圧が高いので、治療を始めましょう』とお話しすると、ほとんどの方が『いったん治療を始めたらずっと薬を飲み続けなくてはいけないんでしょ?』と仰います。治療を始めた際には血圧を下げる薬(降圧薬)が一生必要かどうかは分かりませんが、とにかく血圧を正常値まで下げないと、血管が傷んで脳卒中や狭心症・心筋梗塞を起こす可能性がありますので、早い方が良いと考えられます。
治療の必要性については、糖尿病や高脂血症、睡眠時無呼吸症候群などの有無によって異なります。とにかく、医師と話し合うことが重要です。
降圧目標は、下記の表の値を目標とします。
浅草クリニックでは、総合内科専門医の他に、月に3回、循環器内科専門医の診療を設けております。
一般的な治療では降圧効果が得られない方や、心臓のその他の病気をお持ちで、コントロールが難しい方の治療もできます。
参考文献 http://www.jpnsh.org/