浅草クリニック
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便秘症について

“お腹が痛い”“気持ち悪い” などの症状で来院される方の多くが『便秘症』によるものです。
 「でも、毎日便は出てますけど・・・」とおっしゃって検査をすると、お腹の中にはたくさんの便がたまっていることがあります。
 多くの方が「お通じ」についてご家族や友人と語ることもなく、また調べる訳でも勉強する訳でもありませんので、自分のいつもの「お通じ」が「他の人もそうだろう」という考えになるのも無理はありません。
 全世界で便秘に悩んでいる人は25〜30%と言われています。日本では全体の29.6%の人に便秘症状があり、男性は20.4%と5人に1人が便秘症であるのに対し、女性は38.8%と男性の2倍近くが便秘症とされています。年齢別では15〜50歳までは圧倒的に女性の便秘の方が多いという統計結果があります。
 便は体のバロメーターです。便秘が続くと免疫機能が低下したり、女性では肌のつやも悪くなってしまいます。便秘症の治療は、体調を良好に保つ上でもとても大事となります。

【そもそも便秘とは?】

 慢性便秘は「週3回未満の排便回数の減少」かつ/または「排便困難」を呈すること、と定義されています。つまり毎日便がでていても「排便困難」があれば便秘症となってしまいます。
 便の回数が低下してくると、便が硬くなる → お腹がはる・お腹が痛くなる → 排便困難で残便感(便が残った感じ、排便してもスッキリしない感じ)、便の回数の増加、などを引き起こします。


【便秘の原因について】

 排便は、大腸が蠕動(腸が動くこと)することで便を直腸へ送り出し、便が直腸にたどり着くと直腸肛門機能によって排便反射が起こることで、排便が起こります。この“大腸の蠕動が低下すること”と“排便反射が低下すること”で便秘となります。

【弛緩(しかん)性便秘とけいれん性便秘】

 大腸の中に便が長時間停滞すると、「弛緩性便秘」もしくは「けいれん性便秘」となります。弛緩性便秘は腸の蠕動運動が低下することで、大腸内の便の通過時間が長くなるため、過度の水分が腸で吸収されるため、硬い便となります。
 一方けいれん性便秘は、不規則な腸の蠕動運動のため効率的な腸内容物の輸送がされなくなる便秘で、過敏性腸症候群を合併していることもあります。

【排便機能障害型便秘】

 この便秘は、肛門括約筋や骨盤底が排便時に正常に機能しないことでおこる便秘です。多くは骨盤の中の手術の後遺症としておこるのですが、排便をしたくてもトイレに行かずに我慢したりすることで、排便反射が起こらなくなり便秘となってしまいます。

【“便秘だから便秘薬で治療”は危険!】

 便秘の原因は無数にあります。例えば糖尿病や甲状腺機能低下症、膠原病や血中カリウムの異常、神経筋疾患によってその症状の一つとして便秘を来すこともあります。また、大腸そのものの病気、例えば大腸がんでも最初の症状が便秘、ということもあります。
 便秘と診断されたら、必ずこのような病気が潜んでいないか、血液検査や便検査などを受けることがとても重要になります。当院では、また大腸内視鏡などによる検査も行っております。

【浅草クリニックでの治療について】

 当院では、長年便秘症の治療を行ってきました。特に院長は消化器の専門家で長年の経験から、いくつかのお薬を組み合わせることで便秘の治療を行っています。
 市販の便秘薬を飲んでも便秘が治らない、他の病院・クリニックで便秘の治療を行っているがなかなか良くならない。このような症状がある方は、一度ご相談ください。




〔コラム〕

《便秘には食物繊維を多く取った方が良い?》

 一般的に便秘には食物繊維を多く取った方が良いと言われていますが、必ずしもそうではありません。
 やや難しい話になりますが、便秘は食べたものが腸内を通過する速さが正常でも便秘となることがあります。腸内容物が腸内を通過する時間が正常でも便秘となる原因は、ダイエットなどによる食事量の減少や残渣(つまり食物繊維が少ない)の少ない食事による便塊形成(腸の中で便が形作られること)低下などが挙げられます。このようなタイプでは食物繊維を多くとることで便秘を解消することができます。
 一方、腸の動きが低下しているタイプの便秘では、腸そのものの動きが悪くなって便秘となっている訳で、食物繊維が少なくて便秘となっている訳ではありませんので、食物繊維を多く取るようにしても便秘が解消される可能性は低くなります。むしろ食物繊維を多く含む食事をとることで、もともと停滞していた便の容積がさらに増えて、お腹が張るなどの症状が悪くなる可能性があります。
 このタイプの便秘は、女性ホルモンが深く関与していると考えられています。女性の方で便秘があるために市販の便秘薬を飲んでも便秘が良くならない方は特に注意が必要です。市販の便秘薬は刺激性の緩下剤を使っていることが多く、このような便秘にはなかなか効果が得られないことが多いとされています。市販の便秘薬では便秘が良くならない、という方はクリニックで一度ご相談下さい。

《十人十色の便秘治療》

 多くの方が便秘で病院に行く、とは考えていらっしゃらないと思います。
 特に女性の方で便秘に悩んでいらっしゃる方は多く、市販の便秘薬を長年飲んでいらっしゃる方もいれば、漢方を煎じたものを飲んだり、テレビや雑誌で紹介された有名人の便秘治療法などを実践されている方もいらっしゃいます。まさに便秘症治療は『十人十色』まったく同じ便秘の対処法をされている方はいらっしゃいません。
 クリニックでの治療も同様です。まったく同じ治療をされている方はほとんどいらっしゃいません。まず便秘症と診断された場合は、便秘の原因に合わせていくつかの薬を調合して処方します。便秘薬に対する反応もまさに『十人十色』ですので、最初から便秘が治る方もいらっしゃれば、何回かお薬を調整してようやく便秘がよくなった、という方もいらっしゃいます。
 「便秘の薬を飲んだけどあまり効かなかった」と言わず、ちょっと長めにお薬を飲んで治療を受けられることをお勧めします。

《スッキリ快便!を目指して》

 便秘の治療を受けると皆さんは「毎朝スッキリ快便になるだろう」と思われると思いますが、これはとても難しいことです。
 便通の状態は食べたものや水分摂取量に左右されるほか、体調やストレスの影響を大きく受けます。治療を受けると毎日同じような便が出ると思われている方も多いのですが、毎日便の色も形も硬さも多少異なります。
 規則正しい生活を心がけ、毎日の生活の中に「トイレタイム」を設けることで、バランスを崩した”脳と腸のバランス”を少しずつ整えていきましょう。
 浅草クリニックでは、皆さまの『毎日スッキリ快便』を目指して、サポートさせていただきます。