専門外来
当院の禁煙外来は、呼吸器内科専門医による禁煙外来です。受付時間
禁煙治療を希望される方は、受付にて『禁煙治療希望』とお伝え下さい。受付後、禁煙に関する資料とアンケートをお渡ししますので、記載をお願いします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 9:00~12:20 | ○ | ○ | ○ | / | ○ | ○ |
午後 3:30~ 6:20 | ○ | ○ | ○ | / | ○ | / |
通院治療について
保険で治療を受ける場合には、合計5回の通院が必要です。初回診察後、2週間後(2回目)、4週後(3回目)、8週後(4回目)、12週後(5回目)の通院となります。
保険による治療がすべて終了するまでに、12週間=3か月の治療となります。
詳細はこちらをご覧ください。
治療にかかる費用
自己負担が3割の方は、保険を使って3ヶ月で約15,000~20,000円程度です。治療費が自己負担で2万円かかったとします。1日たばこを1箱(約400円)吸う方とすると、50日分(約1か月半)のたばこ代と同じくらいです。どちらが安いかは、明白ですね。
禁煙治療を受けるにあたり
『薬を飲めば必ず禁煙できる』と思われている方がいらっしゃいますが、禁煙には禁煙をしようとする気持ちが必要です。薬を飲んで禁煙できる率は、一般的に60~80%です。つまり、10人禁煙治療を受けた方の2人は、薬を飲んでも禁煙ができなかったということになります。
では、なぜこの2割の方は禁煙できなかったのでしょうか?
禁煙に対する意思が弱かったわけ訳では決してありません。多くの方の禁煙治療を行っていて失敗した方を見ていると、「ひとりでこそこそ禁煙していた人」や「周りにタバコやライター、灰皿があった人」がほとんどです。
多くの人に禁煙していることをぜひ伝えましょう。そうするとタバコを吸おうとすると「あれ? 禁煙していたんじゃなかった?」と友人が禁煙を手助けしてくれるでしょう。
また、周りにタバコがあると、どうしても手が延びてしまうのは仕方がないことです。禁煙治療を始める際に、もったいないと感じるかもしれませんがすべて捨ててしまいましょう。そうすることで、禁煙率が格段に高まります。
禁煙治療お役立ちサイト
禁煙に関する情報は、インターネット上に多く情報提供されています。以下のサイトを参考にして下さい。- 今すぐ禁煙.jp
- 禁煙治療薬を提供しているファイザーの禁煙に関するホームページです。
禁煙について気になるお話や、禁煙のコツなどが書いてあります。
- いい禁煙
- ノバルティスファーマによる、禁煙サポートのサイトです。
- 厚生労働省
- 厚生労働省による最新たばこ情報です。
- 日本対がん協会
- 日本対がん協会による禁煙に関するサイトですです。
- 日本循環器学会
- 日本循環器学会 禁煙推進委員会のページです。
- 日本呼吸器学会
- 日本呼吸器学会 「禁煙のすすめ」
喫煙と肺の病気を中心に掲載してあります。
「タバコについて考えてみませんか?」は、分かりやすくタバコについてや禁煙について記載してあります
- 禁煙の森
- なかなか面白そうなサイトです。
- 禁煙スタイル
- 禁煙できたら、以下のサイトで禁煙レストランで祝いましょう!
コラム
”COPD”と”肺気腫”って同じ?
わが国では、これまで”COPD”という名前や”肺気腫”という病気の名前は一般的ではありませんでした。現時点でもCOPDや肺気腫と言われても、ピンとこない人がたくさんいらっしゃると思います。実際、COPDや肺気腫という名前の認知度は非常に低いものです。また、医療関係者でもCOPDと肺気腫の違いを正確に知っている人は少ないと思います。せきやたんなどの症状が、長い間続く状態(病態)を「慢性気管支炎」と呼びます。また、タバコの影響で気管支や肺胞に炎症が進んで肺胞が壊れてしまった状態を「肺気腫」と言います。
この『慢性気管支炎』と『肺気腫』が伴って『COPD』と呼ばれます。
健診で「白血球が多い」と言われた方へ
健康診断の結果表で「白血球が多いので経過をみましょう」とか、「白血球が多いので、精密検査を受けて下さい」、もしくは人間ドックの面接で「白血球が多いですね」と言われた方がいらっしゃるかと思います。白血球は通常、感染症や血液の病気などで上昇します。白血球以外の検査所見で、感染症や血液の病気が疑われれば、そちらの精密検査を行います。しかし「健診を受けた時は風邪もひいてなかったしなあ」とか、「その他の血液検査で感染症や血液の病気は否定的」という方は”タバコによる白血球増加症”が疑われます。
実際、我われの施設で健診・ドック受診者を対象に白血球が多かった人を調査したところ、白血球が多い原因の実に90%以上の方が感染症や血液の病気ではなく、タバコによる上昇でした。
タバコを吸っていて自覚症状は全くなくとも、体の細胞レベルではすでに”黄色信号”を出しているわけです。健診で白血球が多いと言われた方は、すぐに禁煙しましょう。
タバコを吸っていて90まで元気に生きていた人がいるぞ!
COPDと診断されて医者から”タバコが影響してますね。禁煙しましょう”こういわれて『確かにそうだな』と思う方もいらっしゃれば、『タバコ、タバコって言ってるけど、俺の知り合いの人なんて、1日40本吸ってても90まで生きてたぞ。そんなにタバコが悪いのか?!』と思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かにそうですが、実は最近の研究で”タバコに強い人と弱い人がいる”ということが分かってきています。つまり、ちょっとだけタバコを吸ってても病気になる人もいれば、たくさん吸っても病気にならない人がいるということです。お酒に強い人と弱い人がいるのと同じです。
少しでもタバコを吸っていても病気になる人は、タバコに対しての感受性が強く、それだけタバコの影響を受けてしまいます。タバコの煙の中の有害物質によって、肺の細胞が溶けやすくなっています。よって多少の喫煙で肺に限らず、全身の病気を起こしてしまいます。
一方で、タバコに強い人は、いくら吸っても感受性が低いので、肺の細胞は影響を受けず、病気にもなりにくいのです。
現時点では、自分がタバコに強いのか弱いのかを調べる検査はできません。重要なことは”タバコは万病のもと”ということです。やはり禁煙に勝る治療はない、ということです。
参考文献
GOLD2011日本語版 http://www.goldcopd.org/uploads/users/files/GOLDReport2011_Japanese.pdf
日本呼吸器学会COPDガイドライン