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血液学検査

赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット・MCH・MCHC・MCV 赤血球などこれらの減少は、貧血の有無および貧血の分類に必要とされます。逆に赤血球が多くなりすぎるのも多血症といって、いろいろの合併症を引き起こす原因にもなります。
白血球・白血球像・血沈・CRP 白血球の増多は、各種感染症や白血病等の疑いが出て、それを補佐する白血球像・血沈・CRP等が参考になります。白血球の減少は、体質的なものが多いのですが、ウイルス性疾患や或る血液系の病気でみられます。血沈の促進は、特定の疾患で起こるのではなく病状の活性に関連して変化します。

生化学検査

総蛋白・アルブミン・A/G 総蛋白などの低下は、各種消耗性疾患(がん、結核など)の栄養状態、肝・腎臓疾患の状態を教えてくれます。
TTT・ZTT TTT、ZTT(膠質反応)の上昇は、慢性肝炎、肝硬変、結核、リウマチ、甲状腺疾患などを診断するのに必要です。
総ビリルビン 総ビリルビンの上昇は、黄疸があることを示唆します。まれに病気が無くても上昇することがあり、体質性黄疸と呼ばれます。
AST(GOT)・ALT(GPT) AST、ALT両方の病的な場合は、肝の細胞の破壊の程度を示すもので、AST、ALTが100を超える場合は、活動型の肝炎があリ、医師の指導または治療が必要となります。ただし、よくみられる脂肪肝でも上昇します。(ASTのみの上昇は、急性心筋梗塞でもみられます) この両方が正常でも肝疾患の否定にはなりません。肝硬変、肝がんでは逆に低下することもあります。
γ-GTP・LAP γ-GTP、LAPなども肝炎、脂肪肝のときに病的になります。他の肝機能が正常で、γ-GTPのみの上昇は多く、アルコール摂取量に関係があるといわれております。多くみられる脂肪肝では、GOT、GPT、γ-GTP、中性脂肪の上昇および超音波診断で示唆されます。
総コレステロール・中性脂肪・β-リポ蛋白 総コレステロールなどこれらは、動脈硬化、肝疾患、肥満、膠原病を知るための検査です。コレステロールは、現在、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)、悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)がありますが、総コレステロールが少なく、HDL-コレステロールが多いほうが動脈硬化防止によいとされています。中性脂肪は、脂肪の過摂取ではなく、炭水化物(澱粉・ブドウ糖・アルコール系)の摂取量に関係があります。高い場合には炭水化物を控え目にしてください。食事とは無関係な遺伝性(家族性)のものもあります。総コレステロール、中性脂肪は、食事性の場合が多いのですが、中には食事を注意しても改善されないときがあります。その場合は、遺伝性も考慮すべきで医師の指示に従ってください。
尿酸値 尿酸値の上昇は、痛風のもとになることは多く知られていますが、動脈硬化促進の大きな原因にもなります。尿酸値が高値でも、直ちに痛風発作が起きるとは限りません。痛風発作は、高尿酸値症が永年(10年位)続いたときに起こりますが、動脈硬化の要因でもあり心筋梗塞、狭心症や腎結石の原因にもなりますので徹底した管理が必要です。食べ物ではプリン体を多く含む食事(レバー、白子、ステーキ、エビ、アジ、サンマ、マグロ等)を控え目にしてください。
アミラーゼ アミラーゼは、膵臓の疾患(特に急性膵炎)の診断に用いられます。
ナトリウム・クロール ナトリウム、クロールは、心、腎、副腎の機能を、カリウムも心、腎、副腎の機能を知る検査です。
カルシウム カルシウムは、骨、甲状腺、腎疾患の診断の一部に使われます。
血 糖 血糖(空腹時-無負荷)は、糖尿病の診断に不可欠です。少し詳しい検査ですと、75gのブドウ糖を負荷し、1時間、2時間の血糖をみます。空腹時血糖は110mm/dl未満が正常です。空腹時血糖が、110以上または食後でも200を超えると、それで糖尿病と診断されます。正常と糖尿病の中間の場合は、境界型糖尿病(糖尿病予備軍)と判定され、そのままでは本当の糖尿病になり兼ねない状態です。本当の糖尿病と診断を受けると、食事療法は勿論、その型により経口内服薬やインシュリンの注射が必要になります。このときは医師の指示に従ってください。
Hb-A1C 糖尿病予備軍を含めた糖尿病の経過管理を行ってゆく上で重要なチェックにHb-A1Cがあります。空腹時血糖はそのときだけの値ですが、Hb-A1Cはその検査時点から2〜3ヶ月程度前に遡って上手にコントロールができているか否かの標識となります。

血清検査

RA-テスト リウマチおよび肝疾患のチェックに使われますが、これが陽性でもすぐ関節リウマチではありません。それには更に詳しい検査が必要となります。
CRP 炎症性疾患、リウマチ熱、がんなどの補助診断に使われます。
ASLO 溶連菌抗体のことで、現在の新しい感染ではなく、過去の溶連菌の感染の有無をみるもので、これが高値のままですと、心、リウマチ、腎疾患のもとになります。
HBs抗原 B型肝炎の感染の有無を確認するための項目で、陽性の場合はB型肝炎のウイルスをもっているB型肝炎キャリアと考えられます。
HCV抗体 C型肝炎ウイルスの感染の有無を確認するための項目です。C型肝炎ウイルスは血液製剤、過去の輸血等で感染します。
梅毒反応 ガラス板法、凝集法、TPHA法が全て陽性の場合は、更に詳しい定量を行い、活動性、非活動性を判定してください。TPHA法だけ陽性の場合は、梅毒感染が無い場合でも、生物学的偽陽性もおこりますので医師のコメントに従ってください。