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上部消化器検査

上部消化器検査 現代の上部消化器検査の一番の目的は、小さながん、治るがんすなわち早期がんの発見が最重要視されます。 食道・胃・十二指腸までの疾患の有無を調べる検査です。
所 見 がんは、大きさではなく、粘膜からの浸潤の深さにより早期がんと進行がんに区別されます。 進行がんの場合は、X線像や内視鏡写真を見れば判断できることが多いのですが、早期がんは即座に判断できない場合が大部分です。 従って疑わしき所見があれば更に精密なX線検査、さらに内視鏡検査および細胞診(生検)を駆使して、極小さいうちに徹底的に追究することが絶対に必要です。
主な疾患 食道ではポリープ、潰瘍、腫瘍、狭窄、変形、憩室、ヘルニアなど。 胃では胃炎、潰瘍、ポリープ、腫瘍、がんなど。 十二指腸では潰瘍、ポリープ、変形、憩室、狭窄などが考えられます。 その他、食道拡張症、胃下垂症など機能的な病気もこの検査で診断することができます。
胃の精密検査 人間ドックで精密検査に廻った方の中には、病気の疑いのある方は勿論、はっきり判断のつけられない方も含まれます。それは胃自体が立体のため、平面しか表現できないX線写真では早期がんのような目立ちにくいものは裏側に隠れている場合によく表現できません。 当浅草クリニックでは消化器の専門医が1人の写真を2〜3名で読影し、その経験から実際に見えない隠れた部分の異常をチェックしております。異常の可能性のある場合は積極的に精密検査に廻し、その個所を中心に数枚から10数枚のX線撮影を行い立体で隠れた部位や極微細な変化を表現し、更に必要な場合は内視鏡検査、細胞診検査を駆使して、徹底して早期がんの発見に努めています。

下部消化器検査

検査の目的 大腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸まで)の疾患の有無を調べる検査。 大腸がんの早期発見などに有効な検査です。 異常が見られた場合は、さらに内視鏡検査を行い、同時に粘膜の一部を採取する生検を行います。
所 見 人間ドックでの大腸検査は、肛門診(大腸がんの1/5位はチェックできます)および糞便ヒトヘモグロビン検査で結腸肛門よりの出血を免疫学的に表現する糞便検査で一応のチェックはしますが、これで十分とはいえず腹腔内にみられるガス像、糞便像の観察により、必要があれば積極的に注腸X線検査、内視鏡検査をおすすめしております。
主な疾患 大腸がん、直腸がん、腸結核、クローン病、潰瘍性大腸炎、腫瘍など
大腸検査 今まで人間ドックでは大腸検査は殆ど行われておらず、極く近年大腸検査の技術向上が進むにつれ、比較的未知の分野にも積極的に取り組んできた結果によると思われますが、集団検診学会でもそのやりかたについて検討されはじめたばかりです。 また、胃に比べて大腸の病気は、頻度では少ないのですが、疾患の種類は圧倒的に多いのです。 上部消化管の早期がんの手術は大手術になりますが、これに比べ早期の大腸がんは、早ければ内視鏡的に切除も可能で開腹手術をしないで済む場合もあります。
ガス像・滞留糞便像 ガス像、滞留糞便像により、慢性便秘、下痢などをチェックします。この便秘や下痢により消化器系を中心とした多くの不定愁訴が出現します。便秘や下痢の不快感だけでなく、これによる頭痛、腰痛、肩こり、倦怠感などが伴います。このような症状にも上部消化管に異常がない場合が多くみられますので、その際には大腸のチェックをお勧めするとともに、医師の指導のもとに適切な整腸剤を使用すると驚くほど自覚症状は改善されます。